朝鮮学校をもっと知る その2  朝鮮学校と美術の世界

2019年4月、「ちがいをちからに変える」ことなどを掲げて開催された「SDGs ハッピーアースパレード in 渋谷」に東京朝鮮高級部美術部が参加しました。直後に「朝鮮学校がそのパレードに参加するのは不適切」という趣旨のコメントが寄せられました。主催者からも参加は認められていため美術部は反論しますが、それがきっかけとなり数多くのヘイトと誹謗中傷に晒されることになりました。

この作品は2019年6月に開催された東京朝鮮中高級学校・文化祭「アンデパンダン・デパンダン展」に出展された作品です。ヘイトコメントを手書きで紙に書き写し、ベニヤ板で作られた壁に貼る事で『インターネット』という、現実とは距離のある世界の隅で起きた出来事を可視化し、同時に、お越し頂いた方々と作者本人が対話することで、特定の民族に対する『ヘイト』が存在する現状について理解を深めて頂き、問題を解決する為に議論を深めよう、という趣旨で作った(東京朝高美術部のFacebookより)」と説明されています。

朝鮮学校の子どもたちの作品は、多くの日本の学校の子どもたちと同様に、日常や空想、人や風景などをテーマにしたものだと思いますが、そういった中にヘイトや差別が身近に存在するのもまた現実なのではないでしょうか。

「ヘイトスピーチが蔓延する社会に生きる事は、やはり多くの苦痛を伴います。その苦しみは私たちだけが感じているものではありません。今回私たちが受けたようなヘイトに苦しんでいる人は少なからず世の中に存在します。苦しんでいる人が少しでも存在するからこそ、アートに価値が生まれるものだと思っています(東京朝高美術部のFacebookより)」。まだ高校生であった子どもたちの立派過ぎる言葉を単純に手放しで喜ぶ社会でいいのかと思う反面、やはり胸が熱くなるのが実感です。子どもたちの作品を是非見に来てください!

2021年度在日朝鮮学生美術展 東京展(in 埼玉)
期間:2021年11月30日〜12月5日
時間:10時〜18時(最終日15時まで)
会場:埼玉会館(さいたま市浦和区高砂3-1-4:浦和駅徒歩7分)
入場無料
https://www.gakubi1972.com/

埼愛キムチ新聞第8号(2021年9月25日発行)より


「埼愛キムチ新聞」は埼愛キムチの頒布会毎に発行しています。このページやPDF版を、周りの方々にぜひとも広めていただき、埼玉朝鮮学校をはじめ朝鮮学校の現状を多くの方々に知っていただけたらと思います。