第7回公開学習会ステートメント

多様性を尊重することは、今日の世界の重要な課題です。

肌や目の色、出身地や国籍、障害の有無、セクシュアリティなどによって不当に扱われないこと、誰もが公正に社会参加することは当たり前のこととして多くの人々に認識されています。

しかし日本社会は多様性が尊重されていると言えるでしょうか。

外国につながりのある子どもの教育における公正について考えてみましょう。

わたしたちは、すべての子どもたちが等しくアクセスできる教育の在り方を探らなければなりません。多様なルーツを持つ子どもたちの発達や学力を保証するためには一つの方法でうまくいくことはないのです。

外国にルーツのある子どもの場合、母語(母国語)を学ぶことや母文化を知ることはアイデンティティ形成の上で欠かせません。

自分の出自が否定される状況で、自尊感情を育むことは不可能です。子どもたちの学び、そして社会参加を促すためには、その子どもの国や民族のことば、文化、歴史を大切にしていかなければならないのです。

県内には、朝鮮半島にルーツのある子どもたちが学ぶ埼玉朝鮮学校があります。ここで子どもたちは、母国語(継承語)である朝鮮語や朝鮮の歴史や文化を学んでいます。朝鮮学校の子どもたちが、豊かな未来を思い描き、多くのことを学びたいという心情を、埼玉県で暮らすわたしたちは尊重しなければなりません。

すべての子どもたちは公正に教育を受ける権利を持っています。朝鮮語や朝鮮の文化は、在日朝鮮人の子どもたちの教育における公正を考える際に重要な意味があるのです。

互いの違いを認め合い、誰もが差別や不合理な扱いを受けることなく共に生きることが出来る社会、そんな魅力的な埼玉県にするために私たちも努力していきたいと思っています。子どもたちの成長と発達は、県内に住む全ての子どもたちに例外なく保障されるべきものであり、政治・外交上の問題等をもって子どもに不利益を被らせるようなことは決してあってはならないことです。

私たちは、埼玉朝鮮学校への私立学校運営補助金の打ち切りに反対し、支給再開を強く求めます。

2022年10月28日
誰もが共に生きる埼玉県を目指し、埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会

第7回公開学習会開催のご報告
基調報告「これまでの活動とこれからの課題」(第7回公開学習会より)
基調報告への応答
第7回公開学習会ステートメント