特別企画 日本司法書士連合会による差別〜「朝鮮学校報告削除」問題を考える
司法書士による法教育・消費者市民教育活動を支援する目的で企画された『司法書士のための法教育・消費者市民教育ハンドブック』追補版をめぐり、日本司法書士連合会(日司連)の対応が波紋を広げている。司法書士有志は、差別的な対応があったとして問題視し、2025年7月には日司連および当時の役員の一部を相手取った調停を申し立てた。
問題となった追補版は、2015年刊行のハンドブックを補完する教材として作成が進められたもの。日司連は12人の司法書士に執筆を依頼し、編集業務は前回に引き続き民間団体「司法書士法教育ネットワーク(法教育ネット)」へ委託した。完成後は会員専用サイト「日司連ネット」で公開される予定であった。
ところが、2022年末に法教育ネットが提出した第一次原稿に対し、日司連は複数の削除・改変を指示。その中には「朝鮮学校での法律教室の実践報告」を丸ごと削除する内容が含まれていた。削除理由として、「朝鮮学校については様々な考え方のあるデリケートなトピックであり、他団体での事業とはいえ、日司連の発行物に記載すること自体が相応しくない」と説明されたという。
これに対し法教育ネットは、「削除指示には応じられない」として撤回を要求。応じられない場合には契約を解除し、自ら出版する意向も伝えた。その後、削除指示は撤回され、原稿は完成版として納品され、委託料も支払われた。
しかしその後、日司連は追補版全体を「日司連ネット」に掲載しない方針を決定。決定理由や意思決定の経緯は明らかにされないまま、完成した教材は公開されず事実上のお蔵入りとなった。
この対応に抗議する司法書士有志の集会では、「同じ日本社会を生きる子どもたちに対して、日本の学校と同じ法教育を行うことをなぜ隠さなければならないのか」といった声や、「朝鮮学校での実践事例を掲載不適切としたことは、経験共有を妨げ、民族によって権利擁護に差が生じることにつながる。意図の如何を問わず、結果として差別だ」との批判が相次いだ。
2025年10月に開かれた第一回調停では、日司連側は答弁書を提出したものの出席せず、他の元役員も全員欠席した。有志側は、答弁書の内容についても「事実と異なる記載があるほか、司法書士としての見識を疑わせる主張が含まれている」と批判し、「日司連には問題と向き合う姿勢が見られない」と反発を強めた。 司法書士有志は、「差別に対して沈黙せず、間接的な加担もしない」として、問題の周知と説明責任等を求める署名活動を展開している。
関連署名
日本司法書士会連合会は朝鮮学校差別や発行物お蔵入りについての説明責任を果たしてください(change.org)
関連ホームページ
埼愛キムチ新聞第38号(2026年7月4日発行)より
「埼愛キムチ新聞」は埼愛キムチの頒布会毎に発行しています。このページやPDF版を、周りの方々にぜひとも広めていただき、埼玉朝鮮学校をはじめ朝鮮学校の現状を多くの方々に知っていただけたらと思います。



