○○○から見る朝鮮学校 その11《ウリカペ ブックトーク『朝鮮学校児童・生徒たちの作文集』を読む》での感想③
2025年10月4日、東京・新大久保にある文化センターアリランでウリカペ主催のブックトーク「『朝鮮学校児童・生徒たちの作文集』を読む」が行われました(詳細は『埼愛キムチ新聞』第33号参照/「有志の会」HPに掲載)。その場で読まれたスタッフの感想を紹介します。

ソン・ミリョン「忘れられないあの日」
この物語は、朝鮮学校に通うミリョンさんと近所に住む日本の学校に通うハルカさんの友情のお話です。読みながら、自分が中学生の頃、別の学校の友達がほしい、と憧れていたことを思い出しました。しかも兄弟ぐるみで遊ぶほどの仲良し! そんな二人を羨ましく思いました。
その親しい友達のお兄さんから、殴りつけられるような差別の言葉をかけられた、ミリョンさんはどれほど傷ついたでしょう。
ハルカさんのお兄さんの「ここは日本だから、朝鮮人は朝鮮に帰れ」という差別の言葉は、どんな理由があろうと許されるものではありません。しかし、ミリョンさんたちと同じく十代であろう彼に、この言葉を言ってもいいと思わせた、差別をそのままにしてきた日本社会の責任は重いです。
この話を読んだ時、ドキッとしてしまいました。私も「日本人」のマジョリティとして、何気ない行為や言葉が、差別だったかもしれない、と思うことがあるからです。
大学生の時、友人が「家族に誰にも言うな、と言われているんだけど、朝鮮にルーツがある」と打ち明けてくれたことがありました。その時の私は、それがどんな意味を持つのか理解できず、返した言葉も覚えていません。でも、二十年近く経つ今、その時の彼女のなんとも言えない顔をふと思い出します。彼女とは大学卒業と共に疎遠になったけれど、あの時の私が、在日朝鮮人や差別を理解しようとしていたら、違う未来があったかもしれないと思うのです。
物語では、ハルカさんのお兄さんは自分の過ちを認めて謝罪をします。差別をしない、差別に自覚的になることはもちろん大事なことですが、それ以上に目の前の相手がどんな人なのかを理解しようとすること、自分の行為を真摯に認め、二度と同じ過ちを繰り返さないと決めて行動していくことが必要なのだと思います。
私は今、「朝鮮学校とともに歩み、私たち・ウリの問題として補助金停止を考えるプロジェクト(通称ウリプロ)」での活動を通して、日本社会の「自分ごと」として、朝鮮学校補助金不支給問題に向き合っています。ミリョンさん、ハルカさんのような子どもたちが等しくのびやかに育ち、そして私に秘密を打ち明けてくれた彼女が安心して自分らしく生きていける、そんな日本社会にしたいです。そのために、私もできることをしていくし、この文章を読むあなたとも、つながっていきたいです。
(Chihiro)
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埼愛キムチ新聞第36号(2026年3月21日発行)より
「埼愛キムチ新聞」は埼愛キムチの頒布会毎に発行しています。このページやPDF版を、周りの方々にぜひとも広めていただき、埼玉朝鮮学校をはじめ朝鮮学校の現状を多くの方々に知っていただけたらと思います。



