「知事への提案」制度から大野元裕知事に提案を送りました

埼玉県には、埼玉県政にかんする提案や意見を、県民から直接、埼玉県知事に届ける「知事への提案」という制度があります。届いた提案すべてに大野元裕知事が目を通すというこの制度を用いて、本日、大野知事に「提案」をお送りしました。

詳細は以下をご覧ください。また大野知事より回答をいただきましたら、ご報告させていただきます。


埼玉県知事 大野元裕様

「誰もが共に生きる埼玉県を目指し、埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会」共同代表を務めております渡辺雅之(●●市在住)と申します。私たちは埼玉県人権施策指針にある「すべての県民がお互いの人権を尊重しながら共に生きる社会の実現」という基本理念にそって、県内において学習会、意見交換会、行政などへの働きかけを行ってきました。大野知事におかれましては就任以来、コロナ対策をはじめとして埼玉県民のための健康と安全を守る施策に傾注され深く敬意を表しております。

さて、埼玉県内には在日コリアン、ワラビスタンと呼ばれているクルド人、中国人、ブラジル人など沢山の外国籍または外国にルーツを持つ方が暮らしています。各地域で共生への理解が進んでいますが、同時に様々な問題も生じています。例えば、浦和や川口周辺では2012年頃から度々ヘイトスピーチを伴うデモや街宣なども行われてきました。最近これらヘイトスピーチは、民族や出自に向けられるのみならず、障害者、LGBTQsなどセクシャルマイノリティにまで攻撃の矛先が広がっています。

私たちはこうした事態を深く憂慮しています。そしてどうしたら「お互いの人権を尊重し、共に生きる埼玉県」に一歩でも近づくことができないだろうかと日々考えており、以下2点について大野知事ならびに県行政関係部局に具体的な提案をいたします。

1.大野知事も国会議員時代に尽力されたと伺っている「ヘイトスピーチ解消法(平成28年5月24日)」に示されている理念を実効性のあるものとすべく、東京、大阪、京都、川崎などで制定されたヘイトスピーチ規制に関する地方条例やガイドラインを参考にしながら、埼玉県でも条例やガイドライン制定に向けての検討を開始すること。

2.県内においては、とりわけヘイトスピーチの攻撃対象とされてきた在日コリアンが置かれている現状を把握していただきたく、知事と関係部局による埼玉朝鮮学校への訪問(交流)を計画すること。私たちの聞き取りによると2021年は埼玉朝鮮学校が設立してから60周年ということです。以下、関連するトピックをご紹介しますので、併せてご覧いただければ幸いです。

滋賀県知事による朝鮮初級学校訪問のニュース
https://www.pref.shiga.lg.jp/kensei/koho/e-shinbun/oshirase/314826.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/71e31af1de9a4bf9c738becdd2300985ef328710

朝日新聞に掲載されSNS等で話題になっている在日コリアン少年の投書
「通学中のいやがらせ負けない」
https://ameblo.jp/sanpurena/entry-12631594536.html

極めて公務多忙の中とは存じますが、以上私どもの提案2点についてのご回答をお願い申し上げます。

同会・共同代表
磯田三津子(埼玉大学准教授)
猪瀬浩平(明治学院大学教授・NPO法人のらんど代表理事)
内田淳(さいたま市民活動サポートセンター利用者の会共同代表)
小田原琳(東京外国語大学准教授)
中川律(埼玉大学准教授)
渡辺雅之(大東文化大学教授)

同会・ホームページ
https://tomoni-saitama-koreanschool.org


●●とした箇所は、「知事への提案」では具体的な自治体名を示しておりましたが、当サイトに転載するにあたって伏せ字にいたしました。